皆様お疲れ様です。AZU(@AZU0000)です。
「ユニクロ帝国の光と影」の著者である横田増生氏が実際にユニクロにスタッフとして潜入した中で見たものをありのままにレポートした問題作「ユニクロ潜入一年」がKindleで99円だったので読んでみました。
50代という年齢で巷ではブラック企業と言われているユニクロの最前線で一年も働き続けるという何とも体を張った内容です。
一通り読んだ感想としてはこれがまさに現在のユニクロの現状なんだなと思わせられるものでした。
決して「スタッフの○○○がクソ」とか「柳井www無能すぎwwwww」などのように面白おかしく書いたものではなく、いちスタッフとしての目線から見たリアルな現状が書かれています。
創業感謝祭での店内の様子が本書のメインとなっており、サラッと読んでるだけでも予算達成のプレッシャーや人手不足の悲壮感、一日中途切れないレジ作業で忙殺される様子など、おおよそ私のイメージ通りのユニクロの労働環境という感じでした。
創業感謝祭を含む11月、12月は年間利益の半分を稼ぐらしい
さすがファストファッションの代名詞と呼ばれるだけありますね。凄いものです。
感謝祭の期間中はスタッフの労働時間も12時間を超えるみたいです。流石に社員や準社員だけだとは思っていたのですが、大学生が期間中は授業に出れなかったと書いてあったので、アルバイトスタッフもかなりの残業を要求されていたのではないでしょうか。
社員はともかくアルバイトの唯一の利点である「自分の時間の確保」が出来ないのではアルバイトという雇用形態に意味が無い気がします。
まあ、私も大手家電量販店での勤務経験があるので繁盛期の客の多さや人手不足に関してはある程度理解しているつもりではありますが、流石にここまでひどいものではありませんでした。
サービス残業はなくなっていない
以前の恐ろしいまでのブラックっぷりは多少改善されたようで、閑散期は週休二日、残業代も店長を含めて支払われているらしいです。
ですが本来はこれが当たり前なので、褒めるところでは無いですよね。
それならサービス残業はなくなったのかと言えば、横田さんが勤務していたすべての店舗で行われていることを確認しています。
終身雇用とサービス残業はセットとして捉えるべきものだと私は思います。
売上が多少良くない状態でも雇用を安定させるための条件なのであれば折り合いはつくでしょうし、終身雇用があるからこそ愛社精神も芽生えるのではないでしょうか。
なのでそれが失われた現在の日本においては悪習以外の何者でもありません。
記事出版から解雇の流れ
12月3日に解雇された横田さんですが、理由としては「当社の信用を著しく傷つけた」というものでした。
記事の中身は吟味しておらず、内容が間違っているのかどうかというのは問題ではないようです。プラスになるような内容ではないとのことです。
大半の人はこの記事を読んでも「やっぱりそうか」くらいにしか思わないのではないでしょうか。私も読んでみて感想は「やっぱりそうか」だったので。
ですが、ユニクロ側からしたらこんな人にずっと居座られたらやってられないですよね。目の前の現実を書けば書くほどブラック企業としてのイメージから逃れられなくなりますし。
それにしても…こんな記事が世に出たあとに普通に出勤してる横田さんのハートの強さに驚かされます。普通はバックレるか辞めるかのどちらかになると思います。
最後に
全体的な文章量は多くないのでボリュームとしては少なめですが、ここまでリアルな潜入記事なんてなかなか読めないので面白かったです。
確かに創業感謝祭あたりの時期はレジに並ぶ人があまりに多いので、買う気をなくして手にした商品を置いて店を出た記憶があります。
また、最近はGUの方が欲しいものがある場合が多いので、そちらで買うことが増えました。
ですがGUもファーストリテイリングのグループ企業で、内情はユニクロと同じくかなりのブラックであると耳にします。
ファストファッション全盛になって安価で服が手に入る時代になったのは便利で喜ばしいのでしょうが、安いということはどこかで泣いている所があるということです。
ブラックであることを許せないと思う反面、それを利用しているというのは何とも微妙な心境になってしまいます。
このような状態が続くのであれば今後は買い控えたほうがいいのかなと思ったりもしてしまい、色々と考えさせられました。